自己破産に関わる噂の中で、人権や資格に関するものもよく聞かれます。確かに破産手続きが始まると一部の職業に就くことが制限されるので、それと同じに違いないということで、このような噂が流布するのでしょう。
それでは検証してみましょう。まず、よく聞く選挙権の停止。選挙権というのは20歳以上の全ての国民に与えられる参政権で、憲法に規定されている基本的人権のひとつです。まさに人権として認められているものを、経済行為レベルで処理される自己破産が制限できるはずがありません。権利の格があまりにも違いすぎます。
また、かつて禁治産者や準禁治産者という制度がありました。これは重度の障害などで自分自身の判断能力がないため、行為無能力と言って契約などをしても無効になるというものです。今では民法改正で成年被後見人と呼ばれるようになりましたが、自己破産をした人というのはお金や権利を管理する能力が欠けているので、行為無能力になるという噂があります。これも全くの嘘で、心神喪失の状態にならなければ一切関係のない制度です。
また、破産手続き開始とともに一部の職業に就くことが制限される点についても、免責決定が出て破産手続きが完了すると、この制限も解除されます。